滅菌・消毒について

ハンドピース週刊誌や健康誌で、歯科医院における感染リスクが問題になっています。滅菌・消毒が不十分な歯科医院が多いからです。特にハンドピースは、精密な医療器具で空気圧やジェット水流の圧力で刃を高速回転させ歯を削る装置です。通常は噴出するだけですが、ときにお口から出血した血液や唾液と一緒に水が逆流することがあり、その際、血液と共にむし歯菌や歯周病菌、さらにウイルスも吸い込んでしまいます。血液が逆流してハンドピースのなかに入ると、血液はやがて凝固し落ちにくくなります。血液と一緒に沈着した細菌やウイルスは、滅菌洗浄しなければ少しずつ水流と一緒に別の患者さんのお口のなかに出てしまいます。つまり、歯科医院の器具によるむし歯や歯周病、そして肝炎などの感染リスクが否定できないのです。

DACユニバーサルそのため当院では、ドイツ製の「DACユニバーサル」という装置を用いて、ハンドピースを1本1本滅菌処理し、ウイルスを除去・不活性化しています。また、その他の医療器具は「クラスBオートクレーブ」を使って滅菌します。これは、真空と蒸気の注入を交互に繰り返し、中空の器具の内部や多孔体の内部に残留した空気や気泡を抜いて蒸気を行き渡らせ、加圧しながら2.16気圧下/135℃で滅菌する装置で、大学病院で使われているものと同じです。

どちらも大変高価な装置で、茨木県内でも両方を導入している歯科医院は少数ですが、当院は医療安全のために必要な費用と考えています。それは、むし歯菌や歯周病菌の感染リスクだけでなく、肝炎やHIVの感染リスクが否定できないからです。B型肝炎保有者は130~150万人、C型肝炎は200~240万人と推定されています。HIV(エイズ)感染者は約1万1千人で先進国では唯一日本だけが増加しています。これらは血液を媒介として感染する恐ろしい病気です。このような感染リスクがあるにもかかわらず、当院のような体制で滅菌消毒を徹底している歯科医院は100軒に数軒しかないのが現状です。ぜひ、当院で安全安心の歯科治療を受けていただきたいと思います。

スルガ銀行デンタルローン